私が“昭和”にこだわり続ける理由

皆さん、こんにちは。剣持 光です。
私の職業を一口に語るのは、自分でも難しいです。
声帯模写芸人、イラストレーター、紙芝居師…等々、片岡知恵蔵さんの映画の文句ではありませんが、まさに「七つの顔を持つ男」といったところです。
そして、その実体はというと、昭和の伝道師という肩書がふさわしいようです。
歌や声帯模写や紙芝居などでもって、昭和の良き時代の魅力を皆さんに知ってもらう…それが私のお仕事です。
ところで、そんな私は、1977年(昭和52年)にこの世に生を受けました。
昭和52年生まれというと、太平洋戦争もベビーブームもオイルショックも知らず、私が青春時代を送ったのは、バブルも過ぎ去った1990年代半ばでした。
なのに、何故、これほど昭和にこだわり続けるのか?
その理由は、昭和独特の“自由さ”に大きな魅力を感じるからなのです。
昭和の頃には、今のような厳しいコンプライアンスも規則もなく、自由な精神に満ち溢れた映画やテレビ番組や歌謡曲がたくさん作られていました。
そんな自由な風潮の中で作られた物語は、時代を越えた今でも、人々の胸を打つパワーと魅力を持っています。
私はそうした過去の作品の魅力を、自分の声やイラストでもって、少しでも多くの人に追体験し、楽しんでもらいたいと考えています。
そうしてノスタルジーに浸ることによって、その人が元気づけられたり、勇気づけられたりすれば、パフォーマーとして何よりの喜びです。